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新聞・雑誌などに掲載された記事をご紹介します
  

ボストン近郊で発行されている「たからまがじん」に「キャンプのすすめ」として

ウェルネスキャンプに関する記事が一 面にわたって大きく掲載されました。

これまで、ニューヨーク近郊の雑誌などにキャンプについてたくさん紹介していただいてきましたが、

キャンプに 実際に泊りがけで取材に来られ、記事が書かれたのは今回が初めてです。

      

サマーキャンプのすすめ

 

 

外は一面の雪景色。しかしアメリカでは、真冬の2月にサマーキャンプの申込が始まる。まだ夏はずっと先…などとのんびり構えていると、人気のキャンプは早くに埋まってしまう。

 ところで人気のキャンプとは?親がキャンプを選ぶ基準は何だろうか。キャンプの内容を十分に把握しているのだろうか。そんな疑問から、通り一ぺんのキャンプガイドより『百聞は一見にしかず』、実際にキャンプを訪れて体験取材した。
 

 ウェルネスキャンプへようこそ


  今回取材したのはニューヨーク州とコネチカット州の州境、マサチューセッツ州バークシャーにある Camp Hi-Rock−ウェルネスキャンプ場。ウェルネスキャンプと呼ばれる、オーバーナイトキャンプの中ではもっともユニークなキャンプのひとつだ。というのも日本人向けにプログラムされており、キャンプディレクターも、子供たちの世話をするキャンプリーダーも、参加する子供たちもすべて日本人、または日本語を話す人たちで構成されている。参加者はニューヨーク、ニュージャージー、マサチューセッツなど近郊の州からが主流を占めるが、日本からの参加もあり、また両親とも日本人、両親のどちらかが日本人、在日経験のある外国人、アメリカ生まれの日系人まで、一口に日本人向けのキャンプといっても日本語のレベルは実に様々だ。
  このキャンプを取材するきっかけになったのは、参加した子供の親のコメントからだった。 「とにかく走るのよ、このキャンプ。まるで昔のスポ根ドラマみたい。」
 キャンプディレクターはきっと森田健作のような人に違いない、と緊張しながら向かったキャンプ場は携帯電話も使えないような山の中にあった。地図にも載っていない道を迷いながらやっと到着したキャンプ地は、まわりを山と森に囲まれた湖畔にあった。
  「こんにちは!」
  今どきの子供は挨拶もロクに出来ないと言われて久しいのに、まったく初対面の子供たちの元気な挨拶に一瞬びっくりした。子供たちに混ざって、このキャンプのディレクター(総責任者)である神山修さんがニコニコして現れた。そして奥さんの恒子さん、キャンプリーダーの大学生の息子さん2人と次々に紹介され、え?森田健作どころか、子供たちの良きお父さん、お母さん、お兄さんたちではないか、とまたしてもびっくりしてしまった。なんと予備知識の浅かったことか。さらにマネージャー的存在の山崎綾子さんをコアメンバーに加え、このキャンプはちょうど10周年を迎える。
  神山さんは、甲子園、東都大リーグ、そして日本人で初めてアメリカの大リーグを目指した野球選手であったが、日本特有のスポ根は嫌いという異色のスポーツマン。
  「厳しく辛いだけの練習や、勝った負けたの結果優先より、スポーツはもっと楽しんでやるべきだと思いますよ。」と言うように、ジョギングやトレッキングなど、スポーツを通して子供たちに一生懸命やること、やり遂げることの素晴らしさを体感させる。
  キャンプは、1セッションごとに約70名の子供たちが参加し、まだオネショもありの小学1年生から、しっかりメイク顔のティーンエージャーの女の子まで、一つ屋根の下で2週間を共に過ごす。もちろん年齢・性別ごとにグループに別れるが、食事やイベントは全員が揃って参加する。兄弟で来ている子もいるが、大抵皆知らない同士である。にもかかわらず、大家族で暮らしているような一体感は何だろう。答えはじきにわかった。神山夫妻の統率力とキャンプリーダーたちのチームワークである。直接的な指導はリーダーたちに任せているものの要所要所を締めるタイミング、子供たちへの目配り気配りはやはり親であり、経験豊かな神山夫妻ならでは。そしてグループの子供たちの性格を把握し、健康管理に気を配るリーダーたち。体力と気力がなければ続かない仕事だ。

 

キャンプの目標


 がんばるときには一生懸命やる、楽しむときには最大限楽しむ、個々人の違いを認める、感謝する気持ちを持つ、挨拶をするなど、このキャンプが掲げる基本は、何のことはないごく当たり前のこと。しかし、いつの間にか忘れられてしまったことだ。
挨拶ができない、ありがとうと言えない、やる気がない、友だちがいない、いじめ…それらは、現代の子供たちが抱える問題そのものである。取材当初に受けた元気な挨拶はこの基本の一つであった。また、食事は必ず皆揃って食べる。これも忙しい家庭では経験したことのない子もいる。最初はニンジンを食べられなかった子が、まわりに励まされて食べられるようになる。学校でもあまり走ったことがない子が、早朝のジョギングの後はご飯がおいしいと言う。いい大学に入るためと言って、キャンプにドリル持参で来ていた子がディスコ大会ではじける。学校ならいじめの標的にされそうないつもワンテンポ遅い子、その子を辛抱強く待つグループの仲間…。
  ごく普通の子供たちに見える彼らも、それぞれに悩みや問題を抱えているのが分かる。それは親が気付いていなかったり、あるいは手をかけ過ぎて見失ってしまった些細なことなのかも知れない。
  「愛情をもって育てることと、甘やかすことは違います。」と神山さんは言う。年長者が年少者に生活のルールやマナーを教え合うキャンプは、今や忘れてしまった何か大切な事を教えてくれる。
  折しも日本では小学生の女の子が同級生を殺傷する事件が社会を震撼させていた。この共同生活の中で次第に自己表現していく子供たちを見ていると、豊かな自然に鍛えられ、大勢の人との触れ合いを体験していたら、あのような事件は起きなかったのではないか、と思わずにはいられなかった。
  同じキャンプ場内には別のYMCAキャンプもあり、英語を学びたい子供はエクスチェンジのプログラムもある。しかしウェルネスキャンプで家族のような一体感を体験してしまったら、アメリカのキャンプは島流しにあったような感じがするに違いない。
  子供がキャンプに参加している間、夫婦で海外旅行に行くちゃっかりした親もいるそうだが、子供だけでなく、そういうお父さんやお母さんたちにも是非体験してもらいたいと思うキャンプだ。

 

取材/編集:中島やすこ



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